人生の最終段階・どうする?…を書いてつなぐには?柏から報酬まで

生き切るためのエンディングノート

慈恵会医科大学柏病院(千葉、柏市)にて、総合診療部の三浦靖彦先生による
「地域でつなぐアドバンスケアプランニング」に参加させていただきました。

慈恵会医科大学は本院を含め、大学病院としては積極的に人生最終段階の医療の決定に関する「臨床倫理」の勉強会に真摯に取り組まれています。

地域の「急性期」を担う病院で、こうしたセミナーが地域で活躍する様々な医療や介護の従事者を巻き込んで開催されるのは素晴らしいことです。本会は、柏市の社会福祉協議会との共催でもありました。
参加者は、病院の医師、看護師、栄養士、そして、訪問看護師、同じ地区にある病院のソーシャルワーカーなど。

「人生の最終段階」の医療に対する当事者の思いをどう活かしていくのか。

という…ことを知りたい方の集まりだったと思います。
三浦先生からは

●人生最終段階の医療:討議される社会的背景のお話
●エンディングノート、患者さんの意思を書かれたものは先の診療の道しるべの参考となること
●定期的な見直しが必要であること「人生のものがたりに書き換えはつきもの」

三浦先生の活動なさっている団体「自分らしい生き死にを考える会」の紹介

そして、柏市社協の権利擁護センター 野澤様より
「エンディングノート:私の望みノート」の取組
がご紹介されました。

28年4月より2時間ほどの講座も開きながら市民へ展開しているようです。講座受講者は1,157人とのことでした。

…ううん。およそ2年でこの人数。
悔しい、というより、自分の経験から言ってもそうだよなー。
受講者の反応や感触は、家族との話し合いができている方も若干いるものの、実際、使ってみた という連絡はほんの数人とのこと。
ノートを得て満足した程度ではないかという事でした。

…これもそうだよなー。

なぜ医療機関でエンディングノートが? 必要だから????

エンディングノートの内容には、「医療や介護」をどうするかを記す項目が含まれています。
実はその中での思いそのものが医療行為へ影響する箇所があります。

人生最終段階の医療行為をどう考えるているか
です。

医療は本人の意思による同意 が基本。
その同意なくしては次へ進めないという大前提があります。

しかし、突然意識を失ったり、緊急事態の時の医療において、目の前の患者さんに意思を訪ねることはできません。また、認知症など、ゆっくりと意思表示が困難になるケースもあります。このような事態にどうして欲しいか、ある程度の「道しるべ」が欲しいのです。眼の前でそのような医療が繰り広げられているのですから、何とかしたい。

患者さんの人生最終段階の意思をどのようにしたらわかる状態になるのだろうか
という議論なのです。

意思がなくなり、自分で決められない状態となった場合

このとき、ご本人の意思を推定して、ご家族と、複数の医療従事者で話し合い、決めていきます。
これが…
本人のもの、なのだからその人がその意思を示せるような状態が好ましい。

柏の取組は素晴らしいものでした。これからも…是非広めていって欲しい。
本ノートの体験版はダウンロード可能とのことでした。

ゲストとしてお話していただけますか?

講座開催前に三浦先生にご挨拶したところ、突然のお言葉をいただき、コメントさせていただく時間をいただきました。
活動を通じて次のズレが生じています。

●リテラシー不足による誤解・判断のずれ
●専門家たちと患者さんとの「当たり前」のずれ
●命が終わる時を直視する・しない(したくない)のずれ

このずれの1つでも解決するために始めた講座が 医療に効くエンディングノート。
・・・かくいう私の講座にも、いらっしゃるのは士業(司法書士、行政書士、FP、葬儀関係)などが多く、参加もまだ200名弱。ううん。まだまだですね。

生き方自分で決めてみない?

2018年の診療報酬改定において、
「人生の最終段階の意思決定におけるガイドライン」
を考慮した診療を、との記述がところどころ見られ、おそらく診療報酬に確実に組み入れられる可能性濃厚です。開催者の三浦先生も、ここに集まった医療現場・介護現場で活躍する方たちも、悩み・困っています。

命は自分のものですから…。向き合う時を必ず作って欲しいと
日々活動しております。こちらの講座もご受講者募集中

医療に効くエンディングノート

柏市の地域社会福祉協議会の方が制作された「私の望みノート」。

こちらは素晴らしい内容です。
ダウンロード可能です。