薬物療法を始めるタイミングは、
●検査値の異常が認められた
●痛みなどの主観的症状がある
●何等かの対処が必要な事態に陥り、それを止めたりしたいとき
などがあります。
例えば高血圧、糖尿病、胃炎などの慢性的な疾患の場合には、通常値とされる数値に至るまで改善し、維持継続することが望ましいと言われていますから、長期にわたり治療をしています。
しかし、最近では「長期の使用で好ましくない事態」
の報告がちらほら出ています。
そのうちの1つがプロトンポンプ阻害薬(PPI)という胃潰瘍・十二指腸潰瘍などに使用される治療薬。
http://bmjopen.bmj.com/content/7/6/e015735
(平均5.7年の経過追跡で死亡リスクが若干ながら上昇)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27890768
(PPIを2年以上服用した方が鉄欠乏を誘引するリスクが2.49倍上昇)
などが挙げられています。
実は「エビデンス」がなかなか見当たらない「治療中止」のタイミング。
高齢者にとって、長期に服用し続けていた薬は中止すると悪くなってしまうという考えも重要な一方で、身体的な機能が変化しているにもかかわらず治療薬が50代、60代の頃からずっと同じ量で処方されていることは結構あるようです。
先に示したPPIという薬は、主たる治療のためではないことも多いので中止して良いことが多いと考えられます。
在宅医療・訪問診療が増えていくなかで
●「薬」を見直し、必要な薬だけに整えていく
●身体の機能の変化に応じて治療薬を変えていく
栄養に問題がないか、フレイル(虚弱)をどう防ぐか
という視点が重要と考えられます。先ほどのPPIを長く飲んでいたら、鉄分が少なくなる⇒ふらつき⇒運動する気力なし⇒フレイル
なんていう流れもでてきてしまい「クスリが原因」で起きている可能性もあるです。
親が服用している薬が多くない?
と感じたら是非、薬剤師に相談してください。なんとなく薬の飲見続けるのではなく、意味があります。時々先生に確認してみましょう。
#ヘルスリテラシー