最近は、お客様に「社会貢献型」の提案を多く行うことにしています。
医療用医薬品の情報提供には業界の厳しいガイドラインがあります。エビデンスに基づく情報提供ということが大前提で、更にその中で取り扱えるデータが限定されたり、決められた「ハコ」で表現する必要があったり、注釈を必ず入れなければだめであったりと、シンプルに情報提供をすることが難しいという事情があります。
一番の問題と思っているのは、実臨床との差が大きすぎるという点です。
エビデンスの多くは新薬承認申請に用いられた大規模臨床試験ですが、厳格な患者様のエントリー基準であり、実臨床ではそれに合致する患者さんが限られています。また、医師の様々な視点から処方された医薬品の評価が生の声として見聞きできる場として座談会や対談などで表現していましたが、それも「エビデンス」を求められるようになり、一例一例の「実感」を表現できなくなってしまいました。
私は処方医の方が目の前の患者さんの変化について語る目の輝き、実感から湧き出る表現を文字化することが一番好きでしたがそれがままなりません。
医療用医薬品 という しっかりとした効果が承認されたもので表現できないもどかしさ。
様々な情報提供を言葉(文字)に変えて行うことを使命とし、臨床でのメリット・デメリットをニュートラルに伝えていくことをが小さな箱に閉ざされてしまいました。
(守るべきモラルを守らなかった方がいたことも事実です)
つまり、製薬企業の方たちにとっても「規制」の中でどの様に何を提供していくのか、していきたいのか、を究極に考えると、「社会貢献型」な提案にしかならなくなってきました。
もちろん、製品の良さを伝える手段は「規制」の中でも多々行う努力は惜しみません。
製薬企業が持つ大きなミッションは人々が「健康」に向かって欲しいことですから。